教授プロフィール

アンナ・ヤストシェンプスカ=クイン教授(ショパン音楽大学教授)

Anna Jastrzębska-Quinn

フレデリック・ショパン音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)教授、鍵盤学部長

ポーランド出身。ワルシャワ音楽院とジュネーヴ音楽院を優秀な成績で卒業。

ワルシャワではショパン全集のナショナル・エディションを編集したヤン・エキエル教授に、ジュネーヴではニキタ・マガロフ教授およびマルグリット・ロンとエドヴィン・フィッシャーに師事したハリー・ダティナー教授に師事し、カナダではジョルジュ・シェベック教授、アントン・クエルティ教授、メナヘム・プレスラー教授の元で研磨を積んだ。

パルマ・デ・マヨルカ・ショパン国際ピアノコンクールで優勝の他、サンタンデール、バルセロナ等数々の国際コンクールやポーランド国内のコンクールで上位入賞。ショパンの作品は、膨大な数に渡る彼女のレパートリーの中で常に重要な位置を占めている。芸術上での功績が認められ、7年に渡りワルシャワのフレデリック・ショパン協会とポーランド文化省の研究員だった。

まだ学生であった1974年にポーランド国立室内管弦楽団との演奏においてデビューして以来、ほぼ全てのヨーロッパ諸国の他、カナダ、中国、タイ、ウルグアイなどで演奏活動を行っている。また、彼女の演奏するソロ作品、室内楽作品、ピアノ協奏曲などはポーランド、ドイツ、スイス、カナダのラジオやテレビで放送される他、スペインのレーベルよりショパン、ラヴェル、シウラナ(スペインの古典派作曲家)のCDもリリースしている。

教育者としても活躍し、留学生を含めた大学院生や卒業生の中からは多くの有名コンクール受賞者や芸術関連の奨学金受給者を輩出している。また、ポーランド、ロシア、スペイン、オーストリア、イギリス、ハンガリー、アメリカ、中国、タイ、シンガポール、ウルグアイなどで、国際コンクール審査や、音楽機関でのマスタークラスやセミナーの講師として度々招聘されている。また、芸術教育センターでのコンサルタントやポーランド文部省での専門家としての役割も担っている。

イェジ・ロマニウク教授(ショパン音楽大学教授)

Jerzy Romaniuk

ウッチ音楽高等学校にてジグムント・イェスマンに師事し、その後、1963年から1968年にかけて、フレデリック・ショパン音楽アカデミー(旧ワルシャワ音楽院)にて、ズビグニェフ・ジェヴィエツキに師事した。大学卒業直後、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団とブラームスのピアノ協奏曲第1番を共演しデビューを果たす。その後、モスクワ音楽院でヤコフ・ザーク、エリソ・ヴィルサラーゼの下で研鑚を積むと同時に、旧ソビエト連邦を旅し、数多くのコンサートとリサイタルを成功させた。

 ポーランドに戻ると、フレデリック・ショパン音楽アカデミーにて教鞭をとり始め、1997年以降は、ピアノマスタークラスの教授として指導にあたっている。1979年文化芸術大臣賞第2位、1986年優秀指導者賞、1988年優秀指導者賞第3位、1989年優秀指導者賞第2位と、名誉ある賞を多く受賞している。

 英国、ドイツ、ベルギー、スペイン、デンマーク、イタリア、旧ユーゴスラビア、ハンガリー、チェコ、キューバ、フランス、オーストリア、アラブ首長国連邦、中国等、世界中の国々で積極的に演奏活動を行っている。またレパートリーも幅広く、バッハ、スカルラッティ、ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、ブラームス、シューベルト、リスト、ラフマニノフ、ドビュッシー、ラヴェル、シマノフスキ、ガーシュイン等、数多くの作曲家を得意としている。

 録音活動にも力を傾注しており、ポーランドのみならず国際的な複数のレコード会社と録音を行っている。特にショパンは数多くレコーディングしており高い評価を得ている。また、英国放送協会(BBC)、オランダのヒルフェルスム、ポーランドのラジオ局やテレビ局にも出演している。

マグダレーナ・リサク教授 (カトヴィツェ音楽院准教授)

Magdalena Lisak

カトヴィツェ(ポーランド)の音楽一家に生まれる。若年の頃から数々の国内外のコンクールで優勝し、1992年には国際シマノフスキ・コンクール(ウッチ県、ポーランド)において優勝すると共にシマノフスキ最優秀演奏家としての賞を授与された。
1994年シマノフスキ音楽学校(カトヴィツェ音楽院)をアンジェィ・ヤシンスキ門下生として首席で卒業。同年のゲーザ・アンダ国際ピアノ・コンクール(チューリッヒ)では準決勝に出場。その後、奨学金を得てチューリッヒ音楽院及びバーゼル音楽大学にて、研磨を積む。1996年~1998年にかけてはバーゼルにてクリスティアン・ツィマーマンに師事し、またヴィトル・メルジャーノフ、レオン・フライシャーのマスター・クラスを修了する。
1995年、第13回ショパン国際ピアノ・コンクール(ワルシャワ)にて受賞後、人見記念講堂(昭和女子大学)、シュタット・カジノ(スイス)、ナショナル・フィルハーモニー(ポーランド)、ルドルフィヌム音楽公会堂(プラハ)など世界各国の有名ホールにてコンサートを行う。ポーランド、スイス、ドイツのラジオ局やTV局に向けて録音も行っており、1996年にはDUX社よりショパン作品集をリリースした。

現在、ソロ、コンチェルト、室内楽等のコンサートをヨーロッパ諸国及び日本、カナダ、中国、アメリカ等で行っており、レパートリーはバロック音楽から20世紀の現代音楽までと幅広い。シレジア音楽協会を創立、会長を務めながら数々な芸術活動を行っている。2008年にカトヴィツェ音楽院にて博士号を取得し、同校にて准教授を務めている。

ピオトル・バナシク教授(カトヴィツェ音楽院准教授)

Piotr Banasik

ピオトル・バナシクは、アンジェイ・ヤシンスキ教授クラスの門下生として2006年にカトヴィツェ カロル・シマノフスキ音楽院を優秀な成績で卒業。2015年にはPhDを取得し、母校にて准教授のポストを得る。これまでにマスタークラスにおいてヴェラ・ゴルノスタエヴァ、アレクセイ・オルロヴェツキ、ダン・タイ・ソン、アレクシス・ワイセンベルク、アリエ・ヴァルディ、クリスチャン・ツィメルマンなどのアーティストの指導を受ける。

ポーランド国内外のコンクールや音楽祭で数々の賞を受賞しており、第48回マリア・カナルスコンクール(バルセロナ)メダル受賞、2002年若い音楽家のための音楽祭(グダンスク)一位、パルナッソス国際ピアノコンクール(モンテレイ、メキシコ)グランプリ、2003年ショパンピアノアーティスティックスカラシップコンクール(ワルシャワ)一位のほか、第36回ポーランドピアノ音楽祭(スウプスク)で表彰、2005年10月には第15回ショパンコンクール(ワルシャワ)ではthe best participant who did not qualify to the final roundを含む特別賞を受賞した。2009年リスト国際ピアノコンクール(ヴロツワフ)、2012年ナショナルショパンピアノコンクール(ワルシャワ)でも受賞している。またポーランド文化庁から奨学金も得た。

1998年から、ヨーロッパ各地、メキシコ、アラブ首長国連邦、カナダ、米国、エチオピア、ブラジルで数多くのリサイタルを開き、また協奏曲のソリストとして活躍する。これまでにアグニェシュカ・ドゥチマル、ミロスワフ・ヤツェク・ブラシュチック、トマシュ・ブガイ、ウカシュ・ボロヴィチ、シモン・ビヴァレツ、マッシミリアーノ・カルディ、スラヴォミール・シュルザノスキー、オズバルド・フェレイラ、ピオトル・ガイェヴスキ、トマシュ・ゴルカ、ミェチスワフ・グラボフスキ、ズビグニェフ・グラツァ、イェジ・コセック、アレクサンダー・リープライヒ、イェジ・マクシミウク、イェジ・スヴォボダ、マルチン・ナウェンチ=ニエショウォフスキ、ジョン・ネシュリング、ジグムント・リヒェルト、イェジ・サルヴォロフスキ、タデウシュ・ストゥルガワ、ジャン=ピエール・ヴァレーズ、タデウシュ・ヴォイチェホフスキなどの著名な指揮者の指揮の下、ポーランド国立放送交響楽団、ポーランド放送アマデウス室内管弦楽団、シンフォニエッタ・クラコヴィア、フォークハイマー・カンマーオーケストラ(ドイツ), グアナファト交響楽団(メキシコ), フランス国立ロワール管弦楽団(フランス)、パラナ交響楽団(ブラジル), パデレフスキ交響楽団 (米国)、 そのほかポーランド国内多数の交響楽団と共演。

ポーランドラジオ放送でポーランド国立放送交響楽団、ポーランド放送アマデウス室内管弦楽団との共演を、メキシコラジオ放送でグアナファト交響楽団とのショパン協奏曲第1番を録音している。2001年にはカロル・シマノフスキユースシンフォニーオーケストラとベートーヴェン協奏曲第3番で共演。弾き振りし、録音した。その2年後には同曲をポーランド国立放送交響楽団と録音した。2014年には同オーケストラとアレクサンデル・クリコフスキのピアノコンチェルト第2番を録音した。2019年にはミェチスワフ・カルウォーヴィチのピアノ全曲集を録音したデビューソロアルバムがDUX レコーディングよりリリースされた。

これまでに、the 22nd Septembre Musical de l’Orne (フランス、2004), ドゥシニキ・ズドゥルイ国際ショパンフェスティバル(2005, 2012), スウプスクのポーランドピアノ音楽祭、 Oficina de Music de Curitiba Festival (ブラジル、2011, 2012)、 アレクシス・ワイセンベルクピアノ音楽祭(スイス、2007) 、アラブ首長国連邦のthe 8th Music Festivalなどの名高い国際音楽祭で演奏している。

演奏活動の傍ら、後進の指導も熱心に行っており、カロル・シマノフスキ音楽院で准教授を務めるほか、カトヴィツェのMieczysław Karłowicz Primary and Secondary State Music Schoolでは鍵盤楽器学科長を務める。

2018年からポーランドカトヴィツェカロル・シマノフスキ音楽院で毎年行われている国際ピアノマスタークラスの芸術監督を務める。

シュチェパン・コンチャル教授(カトヴィツェ音楽院准教授)

Szczepan Kończal

1985年ポーランドのカトヴィツェに生まれる。カトヴィツェ音楽院(シマノフスキ音楽院)にてヴォイチェフ・シュヴィタワ教授と同じくヨゼフ・ストンペルに師事。卒業後現在までヴォイチェフ・シュヴィタワ教授のアシスタントを務めている。

第15回ショパン国際ピアノコンクール(2005年)のセミファイナリスト。その他国際コンクールの受賞歴は、トビリシ(2009年)3位、プレトリア(2008年)6位、リスボンのヴィアナ・ダ・モッタ(2007年)5位、ミラノ(2010年)1位、ラウリニャノ(2011年)1位、ティミショアラ(2011年)1位、フラスカーティ(2012年)1位、リッソーネ(2013年)1位、カラーリオ(2014年)1位、シビウ(2016年)2位、ヴェローナ(2012年)2位、ケリケリ(2012年)2位、カンピージョス(2009年)3位、オスロのグリーグ(2008年)2位、高崎(2001年)2位。タリン国際ピアノコンクール(2006年)ファイナリスト。ポーランド国内ショパンコンクールでは3度受賞している。

ノアン、ドゥシュニキ、ナショナルフィルハーモニックホールでのショパンフェスティバルを始め、ワルシャワ、スウプスク、ウッチなど他のポーランド国内のフェスティバルや、クレサーレ、オエイラス、ロカルノ、ミラノ、イスタンブール、トビリシなど海外でも演奏活動を行っている。また、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ポーランド国立放送交響楽団、エストニア国立交響楽団、トルコのプレシデンシャルシンフォニーオーケストラ、グルベンキアン管弦楽団などのオーケストラや、アントニ・ヴィト、タデウシュ・ストゥルガラ、マレク・ピヤロフスキ、イェジ・スヴォボダ、ミハウ・クラウザ、ミハウ・ドヴォジンスキ、アンドレス・ムストネン、アルヤン・ティエン、ペーター・チャバといった指揮者とも演奏している。

マスタークラスをダン・タイ・ソン、ピーター・ドノホー、ヴィクトル・メルジャーノフ、ベルナール・リンガイセン、リー・クム・シング、ジョン・ペリー、アンジェイ・ヤシンスキ、クシシュトフ・ヤブウォンスキ、クリスチャン・ツィメルマンと一緒に行った。ポーランド文化庁からは6度に渡り奨学金を受け、他にもポーランド首相、ポーランド子供基金、“Młoda Polska (ヤング・ポーランド)”賞から奨学金を受けた。

17のヨーロッパ諸国をはじめ、サウスアフリカ、エジプト、オーストラリア、ニュージーランド、ジョージア、キルギス、モンゴル、中国、日本、カナダなど様々な場所で活動している。