はじめに
この度は、このような貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。美しい街並みと豊かな自然に恵まれた環境でショパンの音楽に触れることができ、かけがえのない経験となりました。この幸せで充実した5日間を過ごせたのも、支えてくださった皆様のおかげです。ここではその研修の様子を振り返り、ご報告いたします。
1日目:ワルシャワ観光
早朝、ワルシャワのショパン空港に到着。今回の旅行では天気に恵まれ、初めて訪れる街を歩く足取りも軽く感じられました。ホテルに荷物を置いたら、いよいよ研修が始まります。
午前中はショパン博物館を案内していただきました。直筆の楽譜や手紙、愛用していたピアノなど、どれも息づかいが伝わるようで、ショパンという人物がぐっと身近に感じられました。その後は、歴史ある建物や美しい街並みを巡り、ショパンゆかりの地を案内していただきました。昼食は、出発前からサポートしてくれていたAleksandraさんと一緒に、楽しみにしていたポーランド料理を食べました。午後は翌日のコンサートに向けて練習に励みました。
2日目:ショパンの生家でのリサイタル
朝からŻelazowa Wolaへ。ショパンの生家を訪れることは私の長年の夢でした。窓から周りを見渡すと、豊かな自然が広がり、木々のざわめきや鳥のさえずりが聴こえてきました。
リサイタルには、暑い中多くの方がお越しくださり、とても緊張したのですが「彼が残してくれた素晴らしい作品を、私なりに大切に届けたい」という思いで、幸せを噛み締めながら演奏させていただきました。一生忘れられない、何事にも代え難い時間となり、これからも努力を惜しまず、全力で取り組んでいこうと心に誓いました。

リサイタルの余韻に浸りながら、公園を案内していただき、ワルシャワへと戻りました。
その後街を散策し、最後にショパンの心臓が眠る聖十字架教会へ。初めて教会内に足を踏み入れると、その厳かな空気に自然と心が引き締まりました。

3日目:ワジェンキ公園とコンサート鑑賞
Aleksandraさんにご案内いただき、朝からワジェンキ公園を訪れました。公園には、木陰を作るほど大きく育った木々や、可憐に咲く花々が美しく、心穏やかに過ごすことができました。園内の展示も拝見し、自然と文化の両方を楽しむ贅沢な時間でした。

午後は、ショパン博物館でポーランドの若手ピアニストJoanna Gorankoのコンサートを鑑賞しました。繊細な表現に引き込まれ、心が温かく満たされる時間を過ごしました。コンサート終了後は、そのままマスタークラスに向けて練習に励みました。

4日目:ワルシャワ最終日
集合時間まで少し時間があったので、朝から街を散策しました。Aleksandraさんがおすすめしてくれたチョコレートショップに行き、再びショパン博物館を訪れた後、コペルニクス科学センターへ足を運びました。天文学者コペルニクスの業績や展示が充実しており、実際に体験できるコーナーも多く、童心に返って思いきり楽しむことができました。

ワルシャワを離れてRadziejowiceへ。到着後すぐに、とても響きのある部屋で思い切り練習することができました。

5日目:マスタークラス
朝から贅沢にコンサートホールで練習した後、Philippe Giusiano先生のレッスンを受講させていただきました。ペダリングやフレーズの感じ方をはじめ、演奏における重要な点について丁寧にご指導いただき、多くのを学びを得ることができました。

その後レッスンを聴講したり、先生方の考えを聞いたりと、刺激的な時間を過ごしました。
今回、ピリオド楽器のレッスンを受講することは叶いませんでしたが、奇跡的にプレイエルの練習室を予約することができました。最後に憧れの楽器に触れられて、とても嬉しかったです。
その夜、名残惜しい気持ちでポーランドを後にしました。

おわりに
今回の研修で得た経験は、私にとって一生の宝物です。帰国してからも思い返すたびに心が温かくなります。今回の旅で学んだことを大切に、音楽に真摯に向き合っていきます。
最後になりましたが、アイエムシー音楽出版ならびにChopin Instituteをはじめ、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。